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労働者の側からの労働相談 相談無料・秘密厳守 まよわず、相談

労働情勢吉原節夫

労働情勢の折々の変化に応じて発信します
 友人の編集するホームページに、労働に関する記事を書いてくれと求められ、労働情勢の折々の変化に応じて書くことにしました。拙文ですが努力したいと思います。よろしく。
                       (吉原節夫、元『国際労働運動』編集長)


NO7  2014年2月24日
賃上げにかかる生活向上-----
企業の殻を破った闘いを

基幹労連ー6年ぶりの統一闘争

活動報告写真

* ------2014年春闘の賃上げを中心とする要求提出が続いている。まず、2月7日、鉄鋼や造船など基幹労連傘下の大手労組が6年ぶりの統一要求に従い14年、15年に夫々3500円の賃上げ(定昇は賃金体系上の当然の権利として要求とせず)を経営側に要求提出。続いて12日,自動車総連の各組合が3500円の統一要求(トヨタは4,000円要求)にそって要求を・提出。13日、電機連合各組合が統一要求基準にそって4000円以上の要求を提出した。
〔トヨタ労組の要求は、定期昇給平均7,300円のうえに、賃上げ4000円(1,14%),年間一時金235万円(6.8ヶ月程度)でリーマン・ショック前の水準に戻った〕

連合傘下組合−要求提出が続く 活動報告写真

* -----金属労協以外には、私鉄総連は定昇相当分2%に加えて、賃上げ3700円(1,3%)の要求を提出。UAゼンセンは定期昇給・賃金体系維持分4500円のほかに賃上げ1%または2500円以上の要求を提出。JAMは賃金構造維持分として4500円のほかに、物価上昇(1%)、生活改善分(0,5%)として4500円のベアを要求。NTT,電力総連もベア1%を要求。中小も2月下旬にかけて要求提出が続いている。

JC春闘の指導性が問われるー14春闘

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* ------昨年の連合定期大会で新しく事務局長に選出された神津里季生氏は基幹労連の現役委員長。連合結成以来始めて、議長(電機連合)と事務局長を持つことになったJCの春闘における指導性が問われることになったが、果たしてどうか。アベノミクスによる景気回復が実感できない中で、物価のみが軒並み急上昇して生活を圧迫、さらに4月以降は消費税が3%引き上げられるとあって、生活に及ぼすマイナス影響は計り知れない。定期昇給分を
確保するのは当たり前で、勝負はベアの確保にある。ベアの要求が1%では満額取れてもしれているが、要求を満額取った例はない。JCはどのような闘いで成果を示そうとするのか。昨年までの「定昇のみ」と言う結果で、大衆は納得しない事を腹にすえてもらいたい。

非正規雇用労働者の改善ーこの問題を切り離した春闘はない活動報告写真

* ------春闘は、本来、4月の賃金改定時期にあわせ賃金のアップを要求する労働攻勢である。
  だがここ20年来、連合主体の運動、特に大手組合が労使協調運動に巻き込まれて、資本の思うままに抑えこまれ、賃金水準は引き上げられるどころか、全体として低下してきた。背景として、この間に2000万人に近く膨れあがった非正規労働者(全体の約37%)の存在がある。無権利、劣悪な労働条件、未組織に置かれたこれら労働者の賃金の底上げを春闘で自分たちの賃上げ要求とともに戦うことが絶対に欠かせない。  

経営協議会では解決しないー14春闘

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* ------1%程度の要求でさえしり込みをする空気がある中で、この春闘をどう戦うか。決戦の期間は、4月からの新賃金を決める3月だ。新聞報道によると三菱自動車や日立の経営者が賃上げの意向を明言し、大手全般に影響するだろうといわれているが、それは大手の話。景気回復の好循環に乗れず、消費税アップの転嫁もままならない中小企業で労働者はいかにして生活を守り抜くか。最近、連合の中で、今まで経営協議会ですんできたが、団体交渉はどうやるのか、ストライキ通告など書いたことがないがどう書くんだ、ストライキってどうやるんだ、など、学習しようと言う動きが出てきたという。生活を守るためには闘う以外にないことに気づいたとしたら、いいことだ。

地域の仲間と、企業の殻をぬけだそう 活動報告写真

* -----今年は、従来しなかった事をやろう。要求貫徹にため、残業拒否をやる。スト権を確立する。部分ストを打つ。全面ストをかまえる。そのために、地域の仲間の支援を要請する。何より、企業の殻を抜け出すことだ。
  (2014.2.24、吉原 節夫)



NO6  2014年2月4日
2014年春闘の特徴
  全労働者が賃上げを要求!


アベノミクス政策の効果を生かすため、賃上げに頼るアベ

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* -----いよいよ春闘。「今年は賃上げが実現しそうだ」と多くの人が期待している。
 安倍政権は昨秋から5回も開いた「経済の好循環実現に向けた政労使会議」で、アベノミクスで折角回復の軌道にのせた日本経済を定着させるためには、どうしても賃上げが必要だと経営者側を説得し、経営者側もそれをしぶしぶながら認めざるを得なかった。だがそれは、安倍首相や経営者側が労働者の生活を第一に考えたからではない。アベノミクス政策の効果を生かすには、賃上げに頼る以外に道はないということだ。


資本主義の結末は労働者を常に虐げる活動報告写真

* -----今年1月に発表した経団連の2014 年版「経営労働政策委員会報告~デフレからの脱却と持続的な成長の実現に向けて~」では、昨年までの「賃上げなど論外」と言う”脅迫的”言辞が消えて、「--業績が改善して業況判断が好転すれば、従業員の頑張りに適切に報いたいと考えるのが経営者の一致する思い」と一変し、「したがって、業績が好調な企業は、拡大した収益を設備投資だけでなく雇用の拡大、賃金の引き上げに振り向けていくことを検討することになる」と述べている。即ち、賃上げ容認論に見える。だが、経営者は賃上げを約束はしない。

日本経済立て直しに取り込まれた労使一体春闘

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* ------経団連はここで、賃金とは「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と言う労働基準法第11条を引き合いに出して、賃金の引き上げには多様な方法があるので、賃上げと言う場合、「年収ベースで見た報酬の引き上げ」と捉えるべきだと言う。われわれの要求する賃上げ=月例賃金 の水準引き上げをするとは言っていないのだ。

非正規雇用労働者の労働条件底上げをベースに大胆な要求を 活動報告写真

* ------今年の春闘は従来とは様変わりの様相だ。連合もやっと5年ぶりに賃上げを要求する方針を打ち出し、全労連も12年ぶりに要求額を引き上げた。今年は全労働者が(定昇だけでなく)賃上げを要求することで一致している。各ナショナルセンターの要求内容を見てみよう。
 連合は、賃上げ要求として、定昇分2%に、物価上昇分、生産性向上分など賃上げ1%以上、格差是正1%を目安にしている。(従来なら、13年度実質GDP が1,9%増、物価上昇が0,7%増で要求はベア2,6%となるところだが、それではきついだろうということで、要求基準を引き下げた、と言われる)。その結果、大手、中小で要求表示の違いが出た。大手は賃上げ1%以上で、3500円~4000円を設定した。一方、中小は賃金水準低下分の回復や賃金格差、賃金カーブのひずみ是正分として、5000円(2%)のベア要求を設定、これに定期昇給分4500円を加え、9500円を目安とした。多くの組合が、9500円~10500円の要求を設定している。
 非正規労働者については、「誰もが1000円」を掲げ、時給30円アップ、正社員への転換ルールの導入、無期契約への転換、一時金支給などを重点項目としている。
 全労連は消費税増税3%を踏まえて、6000円引き上げ、12年ぶりに賃上げ16000円に決定した。各産別もこれに合わせ6000円近く上乗せし、金属は一律30000円プラス格差是正。医労連は40000円(定昇5000円、物価上昇分10000円、消費増税分15000円、他産業との格差是正分10000円)。
 全労協は、統一要求目標17400円を変えていない。安倍政権打倒を掲げているのが特徴。

組織の団結と一人ひとりの闘う決意

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* ------ 問題は、いかに闘い、いかに要求を実現するか、にある。金を持った経営者は扱いにくい、という。経営協議会での"お願い"路線ではなく、労働者の決意と行動如何にかかっている、と言えるだろう。それは次回に回そう。


 

NO5  2014年1月10日
日本経済立て直しの賃上げ要求? その本質を見抜く!
闘いとる決意が求められている!

経済三団体新春祝賀会:阿部・米倉の茶番

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* ------いよいよ2014年をむかえた。目の前には春闘が迫っている。1月7日,経団連、日商、経済同友会の経済三団体共催で開かれた新春祝賀会に出席した安倍首相は「政労使会議で賃金の引き上げを要請してきたが、長いデフレから脱却するには思いはひとつだ」とのべて集まった経営者らに賃上げを要請した。経団連の米倉会長も[企業には賃上げや報酬の引き上げをお願いしたい」と今春闘での賃上げ検討を改めて要請した。これを聞く限り、今春闘での賃上げは約束されたと思う人もいるかも知れない。だが、とんでもない間違いだ。

資本主義の結末は労働者を常に虐げる活動報告写真

* -----安倍首相は就任以来、アベノミクスと称する経済政策を掲げて、デフレからの脱出と経済成長を目指し、日銀には大量の紙幣を印刷させて市中銀行に流し込んだが、果たして日本経済は成長軌道に乗ったのか。円安、株高で景気はよくなったかのように見える。だが大衆には実感としてなにもない。それどころか、労働者大衆の生活は毎年悪化し、今年からは消費税の8%への引き上げや社会保障の切り下げが目白押しにおしかける。それが実態だ。そしてグローバル化した資本主義の結末は労働者を常に虐げる。こうした道を何とか避ける方法は、大衆の消費購買力を引き上げるために賃金の引き上げを認めざるを得ない。自民党や経営者らにとっては認めたくない結論である。

日本経済立て直しに取り込まれた労使一体春闘

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* ------ここで登場するのが「政労使会議」である。政・使の誘いに乗せられた労(連合)をまきこんだ話し合いによって、政・使(資)の許容範囲内での賃金(報酬)の引き上げを認める。連合はこれを認めたようだ。政労使会議のなかで経営者側が賃上げを認めたあと、大手の組合が賃上げを要求することを決めたのはその辺のことを物語っている。だから、間違ってはいけない。政府も経営者も労働者のことを思って賃上げを言っているわけではない。日本経済建て直しのためには、それしかないという結論なのだ。

非正規雇用労働者の労働条件底上げをベースに大胆な要求を 活動報告写真

* ------結論はこうだ。われわれの要求は勿論、大幅賃上げである。政府も経団連も大幅賃上げを認めるなどとは言っていない。賃上げをするとも言っていない。「賃上げや報酬」といい、われわれが弱ければ、[報酬]で誤魔化されてしまう。だから、われわれの本来の要求を明確に掲げることだ。職場の総意としての、生活実態にもとずく大胆な要求を掲げて、経営者に突きつけよう。その場合、非正規労働者の労働条件底上げをベースに置くべきだ。ドイツでは、大連立を模索したメルケル首相が社会民主党の要求を容れて、全国一律の最低賃金1200円(日本円換算)を受け入れた。喜んでしたわけではない。政権を維持するためには受け入れざるを得なかったのである。

組織の団結と一人ひとりの闘う決意

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* ------安倍政権は衆参で過半数を握る権力党である。しかし、いま日本経済の運営にアベノミクスが本当に有用かどうかが問われている。2014年春闘にあたり、付け込む隙がここにある。大胆な要求とともに、それを闘いとる組織の堅い団結と一人ひとりの闘う決意が求められることはいうまでもない。


  





NO4  2013年10月22日
「政労使会議」の本質を見抜く
政府の狙いは労働者の分断にある!

連合大会:黙って承認しろという緘口令

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* ------すこし旧聞に属するが、10月3〜4日東京・有楽町の国際フォーラムで開かれた連合第13回大会の印象を記しておきたい。大会は2年に1回開かれる。この2年間には実に様々な事があった。連合が支援する民主党が政権から滑り落ちた。春闘は相変わらず低迷を続けている。労働者の生活はますます苦しくなっている。来年4月には消費税があがる。これではたまらない。何とかすべきではないか。だれでもそう考えているはずだ。ところが大会では、過去2年間の活動総括に何の意見もなく、そのまま承認された。4百何十名の代議員が全国から集まっている大会だ。一人くらい発言があってもいいはずだ。要するに、経過報告はだまって承認しろという緘口令が敷かれていたのだ。少なくとも、大会運営に                  協力するようにという指示は出ていた筈である。

発言は:至極当然な主張も低姿勢で活動報告写真

* -----大会はわずか1日半。議案は1日目に全部あげねばならない。その結果、新年度運動方針案や予算案、新政治方針案などは3時間余で全部承認された。金属系のJC 大産別の代議員は1人も発言せず、中小単産や地方公務員組合の代議員が発言するが、その発言も「連合の方針を支持しつつ」の前置きで、「来春闘は連合として統一賃上げ要求を組むべし」「地方公務員の賃下げ攻撃に対し、地域共闘を強めて反撃を」という至極当然な主張も低姿勢で述べられる。来春闘の賃上げ要求については「12月の中央委員会で決める」と言う答えから一歩も前に出なかった。

春闘:大手に関する限り「政労使会議」の中で決まってしまいそうだ

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* ------連合の大会は2日目の昼まえには終ったが、一方、政府主導の「政労使会議」は盛んに開かれて注目を浴びている。10月18日の会議では、トヨタ自動車の豊田社長や日立の川村会長が「業績が上がれば従業員の報酬を上げる方向で考える」と言ったとかで、来春闘の話は、大手に関する限り「政労使会議」の中で決まってしまいそうだ。だんまりを決め込んだ大手単産の代議員はそのことを感じていて、「どうせ賃上げは近いうちに決まるさ」と白け切っていたのではないのか。経団連は来春闘方針である「経営労働委員会報告」の中に、「業績の上がっている企業はできるだけ従業員の報酬改善に回すように」と書くようだが、分断された中小企業はどうなるのか。日本の労働者の90%は中小で働く。その大部分は組織すらされていないのだ。連合の主要な役割の一つは、未組織を含めたすべての労働者の切実な賃上げ要求の実現にあるのではないのか。

まず、労働者が立ち上がること、それが第一だ 活動報告写真

* ------安倍政権はいま「アベノミクス」に対する国民の漠然とした期待「今度こそ俺たちの生活が良くなるかも」に支えられている。だが、消費税の値上げ決定やTPPの年内妥結方針、原発推進と汚染水処理問題、秘密保護法案、集団的自衛権の拡大解釈などを目の前にして、急速にその期待感を失っている。安倍政権の化けの皮がはがれていく。何ひとつ良くならないと分かったとき、労働者をはじめすべての勤労国民は闘う以外にないことを知るだろう。まず、労働者が立ち上がること、それが第一だ。これからの国会の審議や報道を注意深く見ていきたい。   


NO3  2013年9月28日
この際、一気に?-----
安倍首相の野望は許さない!


アベノミクス:大企業は笑いが止まらない! 労働者大衆は生活費の圧迫

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* ------日銀が「アベノミクス」に従って市場に大量の円を流した結果、円安そして株高の現象が生じている。大企業は、特に輸出関連の自動車や電機関連産業は1年前に比して笑いが止まらない。庶民はこれに誤魔化されて、「次は俺たちの番だ」とばかり、「アベノミクス」によって自分たちの生活が良くなることを当然のごとく錯覚している。だが事態はそう甘くない。国際市場の高騰で石油が値上がりし、それにつれてガソリンが値上げ,輸入に頼るトウモロコシや小麦粉も値上げされた。夏の猛暑もたたって、多くの食品の値段も値  上がりしている。消費者物価が値上がりしたことを、政府は「デフレからの脱却」などと言っているが、消費者=勤労大衆にとっては「物価上昇」で生活費の圧迫が増大しているのだ。

復興法人税は前倒し廃止、消費税は8%強行、労働者の特別復興税は25年間活動報告写真

* -----10月1日には安倍首相が国民向けに演説をして、「消費税を来年4月から8%に引き上げる」ことを宣言する。要するに、今までやってきたことは規定方針通りに消費税を値上げする準備作業に他ならない。加えて、安倍首相は景気を底ざさえするために、「復興支援のための復興特別法人税を、前倒し撤廃する」と言った。分かりやすく言えば「企業の復興特別法人税は、3年を2年にして廃止する」と言うことだ。一方、労働者の復興特別税は25年間の長期にわたる。「企業だけに減税するのは国民の理解を得られない」と憂慮する自民党内の良識派の声を抑えて、安倍首相は強行するだろう。

「政労使会議」ー限定社員、派遣規制緩和、社会保障、原発再稼働、集団的自衛権←春闘廃絶

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* ------企業減税で浮いた利潤は、「来年の春闘で従業員の賃上げに回してほしい」と安倍首相は国民向けのリップサービスを言うが、そんなことを信用する労働者はいないだろう。企業はそれを内部留保にまわして、すでに200億円を超える留保金を積み増しするだけだ。安倍首相は9月20日、「政労使会議」を開き、労使代表を前に「経済がプラスに反転する動きを企業収益、賃金、雇用の拡大を伴う好循環に繋げられるかが勝負」と挨拶したが、この政労使会議を年内何回か続ける構えだ。政府はこの中で、議論を賃金、雇用や労働条件だけでなく、限定社員や派遣規制緩和や社会保障、ひいては原発再稼動や集団的自衛権にまで拡大して、来年春闘までに主要な件は方向を決めたい意向のようだ。要は、春闘の「廃絶」である。我々はこれを断じて許せない。

14春闘:「ノー!」の決意から-民主主義の破壊に抗して 活動報告写真

* ------問題は春闘の存廃だけではない。このままで行けば2016年まで総選挙も参院選もない。この政治的無風期間を最大限に利用して、衆参両院で過半数を握る与党勢力の力で「(戦前の)日本を取り戻す」。そのためには「ナショナリスト」と呼ばれようと「右翼」政治家と批判されようと意に介さない。安倍首相はそのように腹を固めたようにも見える。
 我々の態度はまず何よりも「ノー!」の決意を明らかに示すことである。この政治状況を利用し、自らの野望を成し遂げようとすることは政治の常道を踏み外す。民主主義の破壊である。我々は「昔の日本を取り戻す」のでなく、「民主日本を守り、より充実させる」ためにこそ闘わねばならない。14年春闘をめぐる情勢は、まさにそのような特徴を持っていることを知らねばならない。      


NO2  2013年9月12日
2020年オリンピックは東京開催と決まったが-----
「人口減少社会」と労働者階級


安倍の大見得ー嘘で乗り切ったオリンピック招致

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* ------2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決まった。56年ぶりの東京での開催である。国民は熱狂した。8割の国民がいつの間にか積極招致派に変わってしまっていたのだ。招致実現までの苦労は大変だったろうが、同時に招致費用も莫大なものだったろう。安倍晋三首相がまた得点を重ねた形だ。だが、万々歳とは行かない。ブエノスアイレスでのオリンピック総会で安倍首相は微妙な問題で大見得を切った。外国人記者の原発汚染水漏れに対する質問に対して「状況はコントロールされている」「福島第一原発の港湾内0・3平方キロ内で完全にブロックされている」と明言したのだ

特に福島県民には通用しないー現に汚染水の大量漏出が起きている 活動報告写真

* -----かつて、日本の国会で安倍首相を含めて首相がそこまではっきりと答弁したことはなかった。外国人ならいざ知らず、日本人とくに福島県人には通用しない話である。現に汚染水の大量漏出が起きているのだ。毎日300トンの汚染水が海に流出している。近畿大学の山崎秀夫教授(環境解析学)は「完全にブロックという断定は科学的には間違い」「今も汚染水は外洋に漏れている。汚染水のコントロールには早くて二、三年はかかる」と指摘する。日本人に説明し、納得が得られない限り、日本の国内問題として国会で厳しく追及されるのは当然である。国際的な大成功に浮かれて、国内の当面する緊急事を蔑ろにするならば、安倍政権は大きな反撃を受けることになるだろう。

秋の臨時国会ー軒並みの改悪に「ノー!」という態度を明らかにして闘い始めよう

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* ------秋の臨時国会では、懸案の消費税を来年4月から8%に引き上げるのか、TPPは年内妥結でアメリカに屈するのか、2014年度予算案の方向付けをどうするか、などが議論される。憲法の実質改悪である96条や集団的自衛権の容認をはじめ秘密保護法案などの改悪も工程にあがっている。安倍首相は恐らく流れに乗って既定方針を強行してくるだろう。「日本を取り戻す!」という過日の選挙戦での安倍首相・自民党のスローガンは、かつての「土建国家」への回帰に過ぎない。前回述べたように、我々はまず、「ノー!」という態度を明らかにして闘いを始める。彼我の力関係から苦戦は当然予想されるが、何としても,「歴史の逆転」だけは阻止しなければならない。

守勢に立たされている労働者ーまず団結を固めよう 活動報告写真

* ------話はガラッと変わるが、総務省が8月28日に発表した2013年12月時点の日本人の人口は1億2639万3679人で前年同期比26万6004人(0・21%)減少した。過去最大の減少で、「自然減」は6年連続、拡大した。2006年以降、「人口減少社会」に転じた日本社会の中で、正社員は減少し、逆に非正社員は1881万人(36・2%)に増えた。総体としての労働力人口の減少の中で、守勢に立たされた労働者はまず団結を固めなければならない。果たしてその任務は、果たされているだろうか。


NO1  2013年8月29日
アベノミクスー今その反動的本質を顕にしつつある 活動報告写真

* ------参議院選は安倍晋三・自民党の圧勝に終わった。安倍首相が「アベノミクス」で日本経済の再生に全力を挙げると約束し、その他の重要な課題―憲法改悪はもち論のこと、原発、所得税引き上げや社会保障改革、TPPなど国民にとって死活の問題を隠し、先送りしてしまったからである。選挙で安定政権を得た安倍内閣は、次の衆参両院選挙のある2016年までの3年間の長期政権を目指して、今その反動的本質を顕にしつつある。


アベノミクスー消費税引き上げを強行しようとしている 活動報告写真

* -----景気“改善”の目くらましを食らった国民は今、何一つ良くなっていない事に気づくのだ。「アベノミクス」の最も重要な3本目の矢は、その経済政策にあるのだが、その重要な経済政策は消費税の値上げにかかっている。8月26日に開かれた政府主催の「集中点検会合」では、主婦連合会の会長だけが反対し、労働者代表の連合会長は反対しなかった。安倍首相はこの60人からなる有識者を「集中点検会合」に集めて意見を聞き、賛否を有効に利用して消費税引き上げを強行しようとしている。


非正規労働者は、1881万人(全体での割合は36.2%)雇用の「質」は明らかに悪化している

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* -----労働者も同様だ。諸物価が値上がりする中で賃金だけは据え置かれた。「残業代ゼロ法」といわれる「ホワイトカラー・エグゼンプシヨン」の導入が再検討されている。雇用労働者の総数は5198万人と過去4番目の水準に増えたが、正社員雇用は53万人減っており、非正規労働者の数だけ前年同期比で106万人も増えて、1881万人(全体での割合は36.2%)に達している。雇用の「質」は明らかに悪化している。


「適当な候補者も政党もなかった」ー自民、公明の与党を阻止する有力な野党がいない

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* ----要するに総選挙後の情勢は、労働者にとって最悪である。その総選挙の結果は投票率が52%台で有権者の半分近くが投票に行かなかった。「適当な候補者も政党もなかった」からというのが最大の理由だが「国民の正当な権利の行使」を放棄する理由にはならない。社民党はかろうじて1議席をまもり、生活の党、みどりの風などはゼロに終わった。一方、自民、公明の与党は合わせて衆院の過半数を得た。その過半数の力で強引な国会運営をやろうと言う時に、それを阻止する有力な野党がいない。


労働組合はどう闘うかーまず、「ノー」である

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* ----では、労働者、労働組合はどう闘うか。
まず何と言っても、意思表示が必要だ。まず、「ノー!」である。そして、体制に対する抵抗組織の機能を生かして労働者に対し抗議のデモを呼びかける。それを全国に拡大する。各種の組織体や運動体、革新政党などに対する共闘の呼びかけはもちろん、重要な事はいっぱいあるが、それらは今日の課題ではないから省略する。何としても阻止する体制を作ることが第一だ。そして、それは並大抵の努力ではないだろう。



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